帰りの電車の中で

寒くて体が震え、立ちっぱなしだったので足も震え、調味料程度の頭痛もあるけど、有馬記念を生で、徹夜した訳でもないのに最前列で観られたのだから、そんなものはミジンコほどの代償だ。

前売り入場券が買えず、入場規制が怖かったので朝も早よから家を出て中山へ。1レースが終わった頃に着き、頼まれていたこともあって、まず馬券を買う。人の多さの割には発売機は空いていたのでさっさと買って、スタンドへ。ゴール前は人垣が出来ていて、歩くことすらままならさそうだったので、4コーナーの方へ移動して観易い所を見つけ、ひたすら、ただひたすら待ち続ける。そしてしばらく経って、ホープフルステークスの、と言うかニュービギニングの馬券を買い忘れたことに気づいて呻く。この頃にはJRAが精力的に敷物を撤去した効果もあって、スタンドは人が詰めて立っていたので、移動がちょっと難しいほどだった。

待ちに待った有馬記念の本場場入場。歓声で何も聞こえやしない。ファンファーレ、これまた怖いほどにピタリと合った手拍子で聞こえやしねえ。宝塚、Arc、ジャパンカップ、これでやっと4回目か少ないな、と思いながらディープインパクトの最後のレースを堪能する。今までダービーが一番強いと思っていたけど、今日が更に上をいった。もっと観たかったけど、それは子供に期待。

レースが終わっても不動で、ディープインパクトの引退式を待つ。武豊騎手による回顧の後の池江調教師のインタビューが印象的だった。重大な責務から解放されたからか、それともディープインパクトを名馬と成し得た達成感からか。

間違いなく歴史に名が残るこれだけの馬、何としても血を繋いで欲しいと思う。日本ではこれまで三冠馬の血を繋げられなかったので少し心許ない。オーストラリアからオファーがあれば受けて欲しい。交配頭数が増えれば産駒も増える、それだけ繋がる可能性も上がる。また、ディープインパクトでは無理だった夢を叶えられる可能性も上がって欲しいのだ。