Ride Out the Recession

世界で最も優美な競馬にも不況の波? エルメス撤退~ある時代の終わり告げる(1/3) | JBpress(日本ビジネスプレス)
見出しにほいほいと釣られたけど、うーん、観戦記?それでも突っ込むのは野暮かなと思うも、今日の取っ掛かりに。


世界で最も優美な競馬にも不況の波? エルメス撤退~ある時代の終わり告げる(2/3) | JBpress(日本ビジネスプレス)

ところで、私が「ディアンヌ賞」を観戦するのはこれが3回目になる。最初は1999年。この年は、アガ・カーン氏の馬が3年続けて優勝した年だった。そして2年前の2007年には、前の週の「ロイヤル・アスコット」で優勝した騎手のデトーリが、「ディアンヌ賞」でもまた勝って話題になった。

 そして今年。競馬の専門家でも愛好家でもない私から見て、何が一番変わったかと言えば、その贅沢感。「ディアンヌ賞」を特徴づける華やかな雰囲気が以前よりだいぶおとなしくなったと感じた。


世界で最も優美な競馬にも不況の波? エルメス撤退~ある時代の終わり告げる(3/3) | JBpress(日本ビジネスプレス)

それには、実ははっきりとした理由がある。四半世紀の間、スポンサーを務めてきた「エルメス」が、昨年から手を引いたのである。エルメスといえば、フランスを代表するブランド。馬具製作からスタートしたメゾンの歴史を思えば、最も優美な競馬レースにその名前を掲げることは、全く美しいマリアージュであった。

で、この後はHermèsがスポンサー時代は良かった、と回顧が続くのだけれど、HermèsがDianeのスポンサーに就いていたのは07年までなのは事実。だけれど、08年以降続けなかったのは、現在の経済情勢の影響と考えるには矛盾しているのではないかな。昨年の開催ですら、景気後退が表面化する前では?

今年も、若い歌手のコンサートがあったり、「五感」をテーマにした催しものが草の上で展開されてはいたが、「エルメス村」の優雅さからは遠い。ちなみに、 1週前のジョッキークラブ賞も、以前は三菱自動車がスポンサーになっていたのだが、今年はその名前もタイトルから消えていた。

もともと06〜08年までの3年契約でした。*1 *2これでは「続けなかった」とも考えられる。


しかし、昨秋からの金融危機が競馬産業に影響を与えているのは本当。
AIGの破綻が危ぶまれていた昨年9月下旬のこと。AIG Irelandのトップは、うちは盤石だと自信満々。翌1月のIrish Champion Hurdleのスポンサーを降りることはないと、Leopardstownと約束したと。*3
それが12月19日に東芝がIrish Champion Hurdleのスポンサーに就任したと報じられた。*4
Derbyを含むDerby Festivalのスポンサーが見つからず、このままではスポンサー無しでの開催になるとEpsomは涙目*5、5月中旬になってようやくInvestecと契約を結んだ。開催の3週間前のことだった。
またアメリカでは、BC JuvenileとBC Juvenile Filliesのスポンサーを失い、BCと言えども四苦八苦。担当者は、明日電話がかかってくれば検討するが、経済情勢を考えるとそんなことはないと悲観的。*6
一方で、Emirates AirlineがBC TurfとBC Filly and Mare Turfの、Audemars PiguetがQE II Cupの契約をそれぞれ更改したと伝えられたが、それらは数少ない成功例とされるのではないかな。*7 *8
ただ、ピンチはチャンス、とも言う。波が押し寄せるのなら乗ってしまえばいいじゃない。