I sees the Stars
I sees the Stars posted by (C)SeaBird
はじめから中心に位していたと考えるのは誤りだ。
2000 Guineasの前に周囲はOxx厩舎の別の馬にも注目していた。2歳時にG2を勝っていたとはいえ重馬場で行われたもので、けして目に立つものではなかった。2000 Guineasでは5番人気ですらなかった。
Derbyは絶対的な本命ではなかった。Oxx師は雨が降って馬場が悪くなればスタミナをより多く要求されると言い、出走は流動的だった。本命視されていたのは過程と血統の両面から Fame And Glory だった。
しかし、 Sea The Stars が Nashwan 以来となる20年ぶりの英二冠を達成した。ここでようやく自分は名馬と認め反省したが、この時点で最高の評価を与えた慧眼を持つ人でも10月4日の結果を想像できなかっただろう。
Eclipse StakesではMurtaghがその才能を認める Rip Van Winkle を相手にせず、International Stakesではペースメーカーを2頭付けてまで挑んできた Mastercraftsman を一蹴し、Irish Champion Stakesでは Fame And Glory を返り討ちにした。Ballydoyleがどのような布陣をしても10Fでは付け入る隙はなかった。
12FのArcではどうか。距離が伸びれば Fame And Glory との差は縮まる。Eclipse Stakesでは相手にしなかったが12Fに適正がある Conduit もいる。手合わせしていないフランスの Vision D'Etat か、 Stacelita か。 Youmzain に Cavalryman 、 Dar Re Mi と生半可な力量では通じない相手は幾らでもいたが、結果は痛烈だった。土曜も日曜も雨は降らなかった。実力だけではなくて運もある。20年や30年に1頭という表現では生易しい事実を全身で受け止めた。
スタンドの上部の席を見れば、凱旋する Sea The Stars にスタンディング・オベーションで迎える。名は体を表す。人の物差しで量ることができないのがスターなのだ。
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